信用金庫からエンジニアになれる?向き不向きと転職前にできる準備

信用金庫からエンジニアになることは、実際に可能です。ただし、「自分はエンジニアに向いている」と転職前から確信できるとは限りません。私自身も、転職前にそうした確信があったわけではありませんでした。

私が経験したエンジニアの仕事は、プログラムを書くことだけに時間を使う仕事というイメージとは異なる部分がありました。また、信用金庫での経験の一部はエンジニアの仕事の中でも活きる場面がありますが、それは「信用金庫出身者だからエンジニアに向いている」という意味ではありません。

私は資格取得やポートフォリオ作成をしないまま転職しましたが、それが誰にでも当てはまる方法だと保証するものではありません。

「エンジニア」という仕事、転職前と転職後でどう違って見えたか

信用金庫で働いていた当時、「エンジニア」という仕事について、パソコンの前でキーボードをカタカタと打ち続ける仕事、難しい文字の羅列とにらめっこするような仕事、というイメージを持っていました。また、Webサイトやアプリを作ることが、エンジニアの仕事の中心だと考えていました。

実際に私が経験したエンジニア業務では、プログラムを書くこと自体に使う時間は、転職前に想像していたほど長くはありませんでした。むしろ、何を作るのかを整理する要件整理や設計、関係者とのコミュニケーションに使う時間が多いというのが私の実感です。

これはあくまで私が働いた環境・職種の範囲での実感です。ただ、「エンジニア=ひたすらコードを書く仕事」というイメージだけで検討を進めると、実際の仕事内容との間にギャップを感じる可能性があるかもしれません。

エンジニアという職種に「向いている」と感じたことはあるか

「信用金庫からエンジニアになれるか」を考えるとき、多くの人が気になるのは、自分がその仕事に向いているかどうかだと思います。

私自身について正直に言うと、転職前はもちろん、転職してからも、「自分はエンジニアに向いている」とはっきり感じたことは特にありません。どちらかというと、年数を重ねる中で少しずつこの職種のやり方に慣れていった、という感覚のほうが近いです。

特に苦労したのは、物事を筋道立てて考えること、いわゆる論理的に考えることを身につけることでした。信用金庫の業務とは異なる種類の考え方が求められる場面が多く、この部分の習得には時間がかかりました。

向き不向きの感じ方は人によって異なり、これは私の経験にもとづく一事例です。

信用金庫での経験は、エンジニアの仕事にどうつながったか

信用金庫で働いていたころ、私は書類の記入漏れや押印漏れといったミスを避けるため、何度も確認作業を行っていました。当時の職場は、ミスに対して非常に厳しい環境だったと感じています。

エンジニアに転職してからは、ミスに対する職場の雰囲気は、信用金庫時代に比べると寛容だと感じています。一方で、成果物やテスト結果を何度も見直すという作業そのものには、信用金庫時代の確認作業と通じる部分があるとも感じています。

なお、信用金庫の営業経験で身につけたコミュニケーションの取り方が転職後に活きたと感じている点については、信用金庫からIT業界へ転職はできる?選択肢の整理と考え方ですでに触れているため、ここでは繰り返しません。

これらは私個人の実感であり、どの経験がどう活きるかは配属先や職場環境によって異なります。

転職前にどんな準備をしていたか

私が転職活動を始める前に行っていたプログラミングの勉強は、ごく少しの範囲にとどまります。使っていた言語はJavaで、学習サービスのProgateを利用していました。信用金庫に勤務しながら、休憩時間などに遊び感覚で触っていた程度で、期間としては約1か月、実際に書いたコードの規模も非常に小さいものでした。

これは、本格的にスキルを身につけるというよりも、プログラミングというものに実際に触れておき、選考の場で自分の言葉で感想を話せるようにしておく、という意味合いが大きかったと今は振り返っています。実際に面接では、「難しいと感じている部分はあるが、自分で書いたコードが意図した通りに動いたときは楽しいと感じた」という形で、実体験に基づいて話すことができました。

このほか、退職後にITパスポートの学習を約2週間行いましたが、取得はしていません。ポートフォリオも作成していません。当時、履歴書に書ける主な資格としてはFP2級を持っていましたが、信用金庫時代に取得していた証券外務員資格などについては、IT業界への転職ではあまり意味がないのではないかと私自身は当時考えていました。

これは私が実際に行った準備であり、資格やポートフォリオの要否を一般化するものではありません。必要な準備は応募先や希望する職種によって異なります。

今、転職前の自分に伝えたいこと

今振り返って、転職前の自分に伝えたいことが二つあります。

一つは、信用金庫時代に、内容は何でもよいのでお客さまを助けて感謝された経験を、自分の中で言語化しておくということです。私の場合、そうした経験を起点にして「なぜIT業界を選ぶのか」という志望動機を深掘りしておくことが、選考の場で自分の考えを説明するうえで役に立ったと感じています。プログラミング言語そのものの知識は、転職後に必要に応じて調べながら身につけていった部分も多くありました。

もう一つは、論理的に考えることに、転職前からもう少し触れておけばよかったということです。私自身はこの部分の習得に時間がかかったため、もし当時に戻れるなら、簡単な範囲でもよいので、筋道立てて考える練習を早い段階から始めておきたいと感じています。

私の実体験

本記事は、信用金庫勤務を経て情報通信業のITベンダーへ転職し、エンジニア(当初はプログラマー)として働いてきた私本人の体験をもとに書いています。仕事内容の受け止め方、向き不向きの感覚、転職前の準備の詳細は、いずれも本文各見出しで紹介した通りです。

これらは私個人の経験であり、同じ結果を保証するものではありません。

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エンジニアへの転職を考えているなら、まずできること

私自身は、転職前に自分がエンジニアに向いているか確信できていませんでした。まずは、この記事で触れたような仕事内容のイメージと実際のギャップを知ったうえで、可能であれば学習サービスなどを使って少しだけプログラミングに触れてみることをおすすめします。

そのうえで、信用金庫での経験の中から「なぜIT業界を選ぶのか」を自分の言葉で説明できるように整理しておくと、転職活動を具体的に進める段階で役立つはずです。今すぐ結論を出す必要はありません。仕事内容を知り、少し触れてみて、自分の転職理由を整理するところから始めてみてください。