カテゴリー: 信用金庫からの転職

信用金庫からの転職先や、転職活動の進め方についてまとめています。

  • 信用金庫からの転職で活かせるスキルは?実績がなかった私が強みを見つけた方法

    「自分にはスキルがない」と感じていた転職前

    転職活動を始めたころ、私は自分にスキルがあるとは思っていませんでした。

    新卒の就職活動では自分の強みを「課題解決力」と話していましたが、社会人になってからは、学生時代に直面する課題と仕事で直面する課題は違うと感じるようになり、転職の時点では「課題解決力が自分の明確な強みだ」という確信は持てていませんでした。

    結果的に転職活動では課題解決力をアピールすることになりましたが、自信満々に「これが自分の強みだ」と思っていたというより、面接で強みを説明するために、後で紹介する保育園での経験を整理して使ったという感覚に近いです。

    信用金庫時代は、営業数字を十分に上げられず、上司から叱責を受けることもありました。自分では「これといった実績がない」と感じており、特に融資獲得の実績が少なく、転職で何をアピールすればいいのか不安でした。

    少額の設備資金融資を1件獲得できた経験はありますが、1か月ほど通い続け、お願いする形で融資を受けてもらったという認識で、胸を張れる営業実績だとは当時も今も考えていません。

    信用金庫で働く中で、できるようになったこと

    華々しい実績はなかった一方で、日々の業務の中で少しずつできるようになったことはいくつかあります。

    一つは、電話での対応です。定期預金の電話勧誘では、最初は緊張して何を話せばいいか分からず、頭が真っ白になることがありました。それが繰り返すうちに、徐々に自然に話せるようになりました。特別な訓練を受けたというより、単純に「慣れたのだと思う」というのが私自身の認識です。

    もう一つは、決算書の読み方です。私の場合、ほんの少し読めるようになった、という程度のものです。売掛金などの項目について、過年度との推移や取引先の状況を見て、「不良資産に該当するかもしれない」と考え、気になる点を上司へ相談できるようになりました。

    自分一人で判断して処理していたわけではなく、気づいたことを上司に相談できるようになった、というレベルの話です。

    もう一つは、上司への報告の仕方です。最初は報告の順序がまとまらず、最後には「何を話しているのか」「上司に何をしてほしいのか」が伝わらなくなることがありました。そこで結論から話すことを意識するようになりました。

    まだ話が長くなることはありましたが、少なくとも自分の意図を以前より伝えられるようになったと感じています。

    いずれも、大きな成果と呼べるようなものではありません。ただ、こうした「できるようになったこと」の一つひとつが、後で紹介する強みの整理につながっていきました。

    保育園への提案と、そこから生まれた自分の変化

    信用金庫時代、担当していた保育園の園長から、コロナ禍で保護者向けの施設見学ができないという話を聞いたことがあります。そこで、施設内を動画で撮影してYouTubeなどで見てもらう方法を提案しました。

    保護者から良い反応があり、園長にも感謝してもらえました。その後、園長が投資信託を購入することにもつながりました。この提案が融資の獲得につながったわけではありません。

    この経験を通じて、私自身の中で顧客との向き合い方に変化がありました。

    それ以前の私は、顧客と話すときに「融資の需要はないか」という基準で対話することを意識していました。保育園の経験以降は、「この顧客はいま何か困っていることはないか」という基準で話を聞き、課題があれば提案することを意識するようになりました。

    この変化は、実績の大小そのものよりも、私にとって大きな意味を持っていると感じています。

    転職活動で役立った「行動実績」の整理方法

    転職活動を始めたころ、転職エージェントから経験の整理方法を教えてもらいました。これが私にとって非常に役立ちました。

    整理の流れは次のようなものです。

    1. 意識したこと
    2. 行動
    3. 結果
    4. 自分の変化

    私は営業実績そのものに自信がなかったため、保育園での経験をこの流れで整理し、面接で話せるようにしました。

    この整理方法は、転職してから振り返って思いついた後付けの説明ではなく、実際の転職活動の当時に使っていたものです。

    ただし、これは私が転職エージェントから教えてもらって役立った経験であり、「転職エージェントを使えば誰でも強みが見つかる」ということを言いたいわけではありません。

    特別な成功体験がなくても、日常業務から探してよい

    私の考えでは、店舗の実績や営業数字だけが「実績」ではありません。

    自分が何かを意識して行動し、その結果が生まれ、その経験によって自分の考え方や行動が変わったのであれば、それも自分の中の「行動実績」として整理できると考えています。日常業務の中から探してもよいはずです。

    仕事のほとんどは日常的なことの積み重ねです。特別な成功体験があるに越したことはありませんが、自分がどんな人間なのかを説明できるのであれば、日常的な経験から探してよいというのが私の考えです。

    ただし、「確認しています」「電話対応しています」のように事実だけを述べても弱いというのが私の実感です。その先を説明できなければ、「だから何?」で終わってしまいます。

    なぜそうしたのか、何を意識したのか、どう行動したのか、どんな結果になったのか、その結果自分がどう変わったのか、というところまで深掘りすることが必要だと感じています。

    職務経歴書には書ききらず、面接で深掘りできるようにした

    保育園の事例は職務経歴書にも書きましたが、詳しくすべてを書いたわけではありません。書類に書いた内容を面接でそのまま繰り返すと内容が重複してしまうため、面接で深掘りして話せる余地を残しておきました。

    少なくとも私が受けた面接では、営業実績について聞かれませんでした。一方で、「仕事をしていて、どんな課題をどのように解決したのか」という内容は聞かれました。

    保育園の事例については、なぜその提案をしたのか、自分で考えたのか、結果はどうだったのか、といったことを聞かれた記憶があります。ただしこれは私の記憶にもとづくものであり、面接ごとに必ず同じ質問がされるということではありません。

    今振り返ると、結果の大きさよりも「なぜそうしたのか」を自分の言葉で深掘りして説明できる経験を選ぶ方がよいと私は考えています。そのほうが「自分はどんな人間なのか」を相手に伝えやすいと感じているためです。

    ただし、これは私自身の転職経験にもとづく考え方であり、採用全般における絶対的な正解だと断定するものではありません。

    信用金庫の専門知識・資格は転職先でどうだったか

    私の場合、信用金庫で身につけた金融商品や融資に関する専門知識のほとんどは、現在のエンジニア業務では直接使っていません。同僚からローンやNISAについて相談され、知っている範囲で答えることがある程度です。

    金融系の資格についても、エンジニア転職で使えるスキルだとは当時考えていませんでしたし、現在のエンジニア業務で役立っているとも感じていません。

    ただし、これはあくまで私自身の転職先・仕事内容での話です。金融系のシステムに関わる仕事など、内容によっては状況が異なる可能性があるため、「金融資格はエンジニア転職では役に立たない」と一般化するつもりはありません。

    一方で、確認を繰り返す習慣や、相手の立場や反応を考えて伝え方を選ぶ習慣など、信用金庫時代の行動そのものが転職後に結果的に役立ったと感じているものもあります。

    この点は「信用金庫から異業種へ転職できる?私がエンジニア転職で感じた活かせる経験と足りなかったもの」で詳しく紹介しているため、ここでは触れる程度にとどめます。

    転職前には分からなかったこと

    私は今、「信用金庫で身につけたスキルを、そのまま転職先で使えるものにしよう」と無理に考える必要はあまりないと考えています。

    理由は、実際に転職して働いてみなければ、何が使えるかは分からないからです。「結果的にこれが使えた」というものはありますが、転職前の段階で「このスキルはエンジニアでも絶対に使える」と断定的に結びつけることは難しいというのが私の実感です。

    転職後、私は論理的思考力の必要性を強く感じるようになりました。アルゴリズムについても、自分で勉強する中や、転職後の仕事を通じて必要性を感じました。

    今、転職前の自分に一つだけ準備を勧めるとしたら、この論理的思考力です。

    論理的に考えることは、自分の行動実績を順序立てて整理することにもつながっていると私は感じています。ただし、「この行動実績の整理方法をやれば論理的思考力が身につく」ということまでは言えません。

    「自分にはスキルがない」と感じたら、行動実績を整理してみる

    自分には目立った実績がないと感じていても、それだけで転職先に話せるものがないとは限らないと私は考えています。

    まずは日常業務の中から、「意識したこと→行動→結果→自分の変化」という流れで一つの経験を整理してみてください。

    大きな成果である必要はありません。なぜそうしたのかを自分の言葉で説明できる経験であれば、日常業務の中から探して構わないはずです。

    信用金庫時代の経験が転職後にどう活きたのかを詳しく知りたい方は「信用金庫から異業種へ転職できる?私がエンジニア転職で感じた活かせる経験と足りなかったもの」、

    転職を考え始めたときの全体的な整理を知りたい方は「信用金庫から転職したい人へ|転職を考えたときに整理したこと」、

    転職先の選び方を知りたい方は「信用金庫からの転職先はどう選ぶ?私がITエンジニアを選んだ理由と求人選びの基準」もあわせて読んでみてください。

  • 信用金庫から異業種へ転職できる?私がエンジニア転職で感じた活かせる経験と足りなかったもの

    信用金庫から異業種へ転職して感じたこと

    私は信用金庫からIT業界のエンジニア職へ転職しました。業界が変わったことも、職種が変わったことも、どちらも私にとっては大きな変化でした。企業文化も仕事の進め方も大きく違い、転職直後はそのギャップに苦労しました。

    ただし、その苦労は「分からないことを一つずつ勉強して身につけていく」という性質のものであり、少しずつ対応できるようになっていったというのが私の実感です。信用金庫時代に感じていた負荷とは、性質が違うものだったと感じています。

    今は、信用金庫で働いた期間よりエンジニアとして働いた期間の方が長くなりました。転職後に営業の仕事へ戻りたいと思ったことはありません。ただし、これは私個人の実感であり、「異業種転職は簡単だった」と言いたいわけではありません。

    転職前は「前職経験は役立たない」と思っていた

    転職活動をしていたころ、私は、信用金庫での経験はエンジニアの仕事にあまり役立たないだろうと思っていました。営業職への転職であれば一部活かせるかもしれないとは考えていましたが、畑違いのエンジニア職では期待していませんでした。

    当時、採用されるかどうか以上に不安だったのは、転職後に仕事についていけるかどうかでした。プログラミングは少し勉強していましたが、十分理解できているという感覚はなく、この不安は転職活動中ずっと抱えていました。

    実際に持っていけたと感じる経験

    実際に働き始めてから、信用金庫時代の経験の中にも、転職後に活きたかもしれないと感じるものがいくつかありました。

    一つは、確認を繰り返す習慣です。信用金庫時代、契約書類に記入漏れや押印漏れがあると顧客のもとへ再訪問する必要が生じるため、何度も確認する癖がついていました。エンジニアになってからも、成果物の漏れやコードの書き間違いがないかを繰り返し確認する習慣として活きたかもしれないと感じています。

    もう一つは、相手の反応を見ながら言葉を選ぶという習慣です。信用金庫時代は、顧客や上司の反応を見ながら、どんな言葉なら受け入れてもらいやすいかを考えて話していました。転職後も、顧客や同僚にどう伝えるかを意識する場面で、この習慣に助けられたと感じています。

    エンジニアとして働く中で、物事をストレートに話す同僚もいて、その違いから自分が「相手の立場や反応を考えて言葉を選ぶ」習慣を持っていたことに気づきました。ただし、これは私が働いた環境での一例であり、「エンジニアは皆ストレートに話す」ということを言いたいわけではありません。

    転職後に新しく身につける必要があったこと

    一方で、転職後に新しく身につける必要があったことも数多くありました。一番大きかったのは、自分が扱う業務システムそのものの理解です。これは転職前にどうにかできるものではなく、転職後に一から身につける必要がありました。

    私が担当した保守業務では、まず現在どのような仕様になっているのかを理解し、そのうえで問題、理想の状態、現状とのギャップ、解決策を考える必要がありました。単にプログラミング言語の文法を知っているだけでは足りず、扱っているシステム固有の知識やこれまでの経緯を理解する必要があったというのが私の実感です。

    1〜3年目の苦労と変化

    1年目は保守業務を担当していました。プログラムがほとんど読めず、周囲の人たちの会話もあまり理解できず、この先やっていけるのかとずっと不安に感じていました。

    2年目はほぼテスト業務を担当しました。プログラムや設計書を見ながら、仕様どおりに動くかを確認する仕事を続けていました。テスト中心の業務だったこともあり、プログラムを見て調べたり理解したりする時間的な余裕がありました。

    3年目に保守業務へ戻ると、プログラムがなんとなく読めるようになっている自分に気づきました。その後、規模の大きな改修を一つやり切ったことが自信になり、「このままやっていけるかもしれない」と思えるようになっていきました。

    これは私が経験した順番と実感であり、担当する業務の内容や環境によって、必要な時間や過程は人それぞれ違うと思います。

    面接で、前職経験とエンジニア職をどうつないだか

    面接では、信用金庫での経験がエンジニアの仕事にどうつながるのかを気にされていたという印象を持っています。信用金庫からITという異業界へ移り、営業系の仕事からエンジニアという異職種にも移ったため、前職での経験と転職先の仕事をどうつなげて考えているかを見られていたと感じています。

    面接では、信用金庫時代に担当していた保育園での経験を話しました。コロナ禍で保護者向けの施設見学が難しくなっていた保育園に対して、施設内を動画で撮影し配信する案を提案したところ、保護者から反応があり、園長にも感謝されたという経験です。これはシステム開発によって解決した話ではありません。ただ、顧客の課題を見つけて解決策を提案した経験として、エンジニアという仕事でも同じように顧客の問題解決に関わりたいと説明しました。

    面接官に評価されたと断定はできませんが、伝わった感触があったと私は感じています。転職後に働いてみての実感としては、顧客の問題は必ずしもシステム開発だけで解決するものではなく、運用方法の提案など別の形で解決することもあると感じています。

    企業文化・働き方のギャップ

    信用金庫時代は、出退勤カードに出退勤時刻を記入し、出勤時と退勤時に支店長・副支店長・役席のいずれかから印鑑を押してもらっていました。転職後は、出勤時にチャットツールへコメントを入力し、退勤時はシステムに時刻を入力するだけになりました。この違いには、当時かなり衝撃を受けたのを覚えています。

    あくまで私が経験した二つの勤務先の違いです。

    質問のしやすさというギャップ

    転職後はリモートワークが多く、質問はチャット中心でした。リアルタイムで回答が返らず、作業の手が止まることはありました。一方で、質問すること自体は難しくないと感じていました。

    信用金庫時代は、周囲が忙しそうに見えて質問しづらい雰囲気を感じていました。転職後はチャットのため相手の状況が直接見えず、相手のタイミングで返信してもらえることもあり、質問する心理的な負担は小さかったです。もちろん「忙しい中すみません」といった最低限の気遣いはしていました。一緒に働いた人たちが基本的に優しかったことも大きかったと思います。

    これも、私が経験した職場での実感です。

    「自分にはスキルがない」と感じる読者へ

    異業種で働くうえで足りない専門スキルは、転職後に身につければよいものもあると私は考えています。未経験なのですから、そのスキルを今持っていなくて当然だと思います。

    ただし、社会人として身につけてきたものが何もないとは限りません。自分ではスキルだと思っていない行動でも、言語化してみると強みとして説明できることがあります。たとえば私の場合、「顔色をうかがって言葉を選ぶ」という感覚を、「相手の立場や反応を考え、その場に応じた伝え方をする」という形で説明できることに、転職活動を通じて気づきました。

    ただし、実際の行動やエピソードから説明できる範囲を超えて、実態以上に盛って伝えることはおすすめしません。自分では当たり前すぎて気づきにくい場合は、周囲の人に「自分はどんな人に見えるか」「仕事でどんなところが得意だと思うか」と聞いてみるのも一つの方法だと思います。

    転職前にやっておけばよかったこと

    今振り返って、転職前にやっておけばよかったと感じているのは、自分の行動や判断をもっと言語化する習慣をつけておくことです。私は「なんとなく」で行動したり判断したりすることが多いタイプでした。

    面接では、自分がこれまで何をしてきたかを言葉にして相手に伝える必要があります。「なぜこの行動をしたのか」「なぜこの判断をしたのか」を普段から具体的に言語化しておけばよかったと感じています。この考え方は、エンジニアになった今でも重要だと感じています。

    異業種転職を考えるなら、まず自分の行動を言語化してみる

    信用金庫での経験がそのまま異業種で通用する必要はないと私は考えています。私の場合、担当する業務システムの知識など、転職後に身につけたものもありました。

    一方で、これまで当たり前にやってきた行動の中にも、転職先に持っていけるものがあるかもしれません。まずは自分の行動や判断を書き出し、「なぜそうしたのか」を言葉にしてみることをおすすめします。

    転職先の選び方について知りたい方は「信用金庫からの転職先はどう選ぶ?私がITエンジニアを選んだ理由と求人選びの基準」、IT業界への転職の全体像を知りたい方は「信用金庫からIT業界へ転職はできる?選択肢の整理と考え方」、エンジニアという職種への向き不向きを知りたい方は「信用金庫からエンジニアになれる?向き不向きと転職前にできる準備」もあわせて読んでみてください。

  • 信用金庫からの転職先はどう選ぶ?私がITエンジニアを選んだ理由と求人選びの基準

    転職先を考えるときにまず整理したこと

    私の場合、転職先を考えるうえで役立ったのは、いきなり業界名や職種名から探すのではなく、「今の仕事の何を変えたいのか」を整理することでした。

    私が転職先を考えたときに重視していたのは、主に次の3点でした。

    • より汎用的だと自分が考えていたスキルを身につけたい
    • 当時の自分が将来性を感じられる業界へ移りたい
    • 外回り中心の働き方から変えたい

    この3点は、あくまで私自身が信用金庫で働いていた当時の状況から出てきたものです。以降の見出しで、それぞれの背景を具体的に紹介します。

    私が転職先として検討したもの

    私が転職を考えたとき、候補として具体的に検討したのはIT業界のエンジニア職でした。

    IT業界の営業職も一度は候補に挙がりましたが、私の場合は、信用金庫で営業を経験したことで、次の仕事では営業以外の職種を選びたいと考えていました。IT営業については求人票を確認した程度で、実際に応募や面接はしていません。

    実際に応募したのは、主に転職エージェントから紹介されたエンジニア職の求人でした。

    ① 手に職をつけたいと思っていた

    当時の私は、「このままでは信用金庫業界でしか通用しないスキルしか身につかないのではないか」という不安を持っていました。この不安が、より汎用的だと当時の私が考えていたスキルを身につけたいという気持ちにつながり、エンジニア職への関心の一つになりました。

    これは当時の私が感じていた不安であり、実際に転職してみると、信用金庫時代の経験の中にも転職後に活きたものがありました。この点は後の見出しで改めて紹介します。

    ② 当時の私はIT業界に将来性を感じていた

    もう一つの理由は、信用金庫業界とIT業界を比較したときに、当時の私がIT業界のほうに将来性を感じていたことです。

    転職活動をしていた当時、私は次のように信用金庫業界を見ていました。

    • 低金利環境が続いていると感じていたこと
    • DX化が遅れていると感じていたこと
    • 大きな技術的な変更を進めにくい職場もあるのではないかと感じていたこと

    こうした見方から、「このままでは先細りするのではないか」という不安を持っていました。一方でIT業界については、DX化を進める側にあること、デジタル技術がさまざまな仕事で使われていくと考えていたこと、リモートワークなど新しい働き方を取り入れる企業もあることから、信用金庫業界より将来性があると当時の私は考えていました。

    これはあくまで転職活動をしていた当時の私の見方です。信用金庫業界全体の顧客層や、現在の金利状況・DX化の進み具合を客観的に説明するものではありません。IT業界であれば将来安泰だと保証するものでもありません。業界の将来性についての見方は人によっても時期によっても変わるものだと思いますが、当時の私は、この見方をもとに転職先を考えていました。

    ③ 外回り中心の働き方を変えたいと思っていた

    信用金庫で渉外係をしていたころ、私は毎日のように原付で顧客先を回っていました。夏の暑い日には熱中症のような症状を感じたことがあり、雨の日にはレインコートを着ていてもずぶ濡れになることがありました。雪の日にも顧客からの要望があり、路面に注意しながら原付で顧客の事務所まで向かった経験もあります。

    こうした外回りは私にとって体力的な負担が大きく、リモートワークのような働き方に憧れを持つようになりました。ただし、IT業界へ転職すれば必ずリモートワークができるとは限りません。私の場合も、実際に求人を選ぶ段階でこの点を確認していました(詳しくは後述します)。

    読者自身の場合、変えたいのは給与かもしれませんし、人間関係かもしれませんし、勤務地かもしれません。まず「何を変えたいのか」を書き出してみることが、転職先を考える最初のステップになると私は考えています。

    転職先で譲れない条件を先に決めておく

    私が実際に応募先を選ぶときに見ていたのは、主に給与・働き方・未経験者向けの教育や研修制度でした。求人票を確認し、自分が満足できる、または妥協できる条件であれば応募するようにしていました。

    一方で、次のような求人については、当時の私は入社先としては考えていませんでした。

    • 生活に必要だと考えていた水準を大きく下回る給与の求人
    • 全国転勤がある求人(自分の生活環境が大きく変わる可能性を避けたかったため)
    • リモートワーク制度がない求人(働き方を変えたかったため)
    • 研修が用意されていない求人(未経験だったため、教育してもらえる環境を重視していたため)
    • 仕事内容が分からない求人(入社後に何をするのか見えないことに不安を感じたため)
    • 客先常駐を前提とする求人(当時の私は、自分が希望するリモート中心の働き方との相性に不安があったため)

    当時の私は面接経験を積む目的で応募することもありましたが、入社先として受け入れられない条件自体はある程度決めていました。振り返ると、求人を見る前に「譲れない条件」を整理しておくことは、候補を比較するときに役立ったと感じています。

    これはあくまで私自身の希望条件との相性の話です。読者自身にとっての譲れない条件・妥協できる条件は、この例とは違うはずです。

    未経験の職種を考えるなら、教育制度を確認する

    私は未経験からのエンジニア転職だったため、求人票を見るときに教育・研修制度を特に重視していました。単に「研修あり」「OJTあり」と書かれているかだけでなく、可能なら研修の具体的な内容も確認し、さらに可能なら配属後にどのような仕事をする可能性があるかも確認しておくと、入社後のギャップを小さくする材料になると今は感じています。

    実際に入社した会社では、入社後2か月間の研修があり、主にLaravelの基本を学びました。未経験だった私には理解が難しく、研修中も苦労しました。さらに、実際に配属された現場ではLaravelを使用しておらず、研修で学んだ内容をそのまま実務で活かす機会はあまりありませんでした。

    それでも、研修内容や配属後の仕事内容を事前にどれだけ確認していても、入社後のギャップを完全になくすことは難しいというのが私の実感です。エンジニアを目指す場合であれば、どのような言語・フレームワークを使うのか、具体的にどんな仕事をするのかについて、分かる範囲で入社前に確認しておくと、準備の助けになると思います。可能であれば、希望する業界・職種ですでに働いている人から話を聞くことや、転職エージェントから情報を得ることも一つの手です。ただし、エージェントに聞けば現場の情報が必ず正確に分かるとは限らず、情報源の一つとして捉えるのがよいと私は考えています。

    信用金庫時代の経験が、転職後に活きた部分

    転職前の私は、「信用金庫業界でしか通用しないスキルしか身につかないのではないか」という不安を持っていました。しかし実際に転職してみると、信用金庫時代の経験の中にも活かせるものがあったと感じています。

    信用金庫時代、私は顧客へ説明するときに、なるべく分かりやすい言葉を選ぶことを意識していました。私がエンジニアとして働くようになってから、専門用語を使う場面が増えました。エンジニア同士では通じる言葉でも、システムに詳しくない顧客には伝わりにくいことがあり、今も顧客などに説明するときには、できるだけ相手が理解しやすい言葉を選ぶことを意識しています。

    転職先を探すときは、「今の仕事から変えたい条件」だけでなく、「今の仕事から持っていける経験」も一度整理してみる価値があると、振り返って感じています。

    私が実際に転職した会社ではどうだったか

    参考として、私が実際に転職した会社の条件を紹介します。これは「IT企業なら一般的にこうなる」という例ではなく、私が選んだ会社ではどうだったかという答え合わせとして紹介するものです。

    給与は、信用金庫時代より少し下がりましたが、前職の給与をある程度考慮した金額にしてもらえました。働き方は、週1回出社でそれ以外はリモートワークでした。研修は前述の通り、入社後2か月間ありました。

    給与・働き方・研修の内容は、応募先の企業によって大きく異なります。

    転職先を考えるときは、まず3つの条件を整理する

    信用金庫からの転職先を考えるとき、まず整理しておきたいのは次の3点だと私は考えています。

    1. 今の仕事の何を変えたいのか
    2. 転職先で譲れない条件は何か
    3. 今の仕事から持っていける経験は何か

    私の場合はこの整理を経て、ITエンジニア職という選択肢にたどり着きました。同じ結論になるとは限りませんが、整理の仕方自体は参考にしていただけると思います。

    IT業界という選択肢が気になった方は「信用金庫からIT業界へ転職はできる?選択肢の整理と考え方」、エンジニアという職種が気になった方は「信用金庫からエンジニアになれる?向き不向きと転職前にできる準備」、転職活動そのものの進め方を具体的に知りたい方は「信用金庫から転職したい人へ|転職を考えたときに整理したこと」もあわせて読んでみてください。

  • 信用金庫から転職したい人へ|転職を考えたときに整理したこと

    信用金庫から転職した私が、最初に考えたこと

    私は信用金庫で働いたのち、IT業界へ転職しました。転職を考え始めた当初、私が最初に整理しようとしたのは、「このまま働き続けた場合に何が起きるか」と「転職した場合に何を得て、何を失う可能性があるか」という比較でした。

    ここでは、IT業界そのものの選択肢の説明は繰り返さず、私が転職を考え、実際に行動するまでの経緯を中心に書きます。

    私が転職を考え始めたきっかけ

    転職を考え始めたのは、信用金庫2年目の冬ごろ、渉外係だったときです。きっかけは一つではなく、良いものと悪いものの両方がありました。

    きっかけの一つは、担当していた保育園でのことです。当時はコロナの影響が残っていて、保育園の施設見学が難しい時期でした。園長から、親御さんが施設を見学できず保育園選びで不安を感じているという相談を受け、私は施設内を動画で撮影し、YouTubeや保育園のWebサイトで見られるようにすることを提案しました。この提案は親御さんから好評で、園長にも感謝され、その後投資信託の契約にもつながりました。

    自分で技術そのものを作ったわけではありませんが、技術を使った提案で人の役に立てたという経験から、「技術を扱う仕事であれば、別の形で人の役に立てるのではないか」と考えるようになり、IT業界への転職に興味を持ちました。提案の詳しい経緯は「信用金庫からIT業界へ転職はできる?選択肢の整理と考え方」で紹介しているので、ここでは簡単な紹介にとどめます。

    一方で、当時の仕事環境そのものにも悩みがありました。渉外係として営業数字を思うように上げられず、上司から人格を否定するような厳しい言葉を受けることもありました。夜になかなか眠れないことが続き、業務中に頻繁に腹痛が起きるようにもなり、精神科を受診したところ、抑うつ状態と診断されました。医師からは休職という選択肢も提示されましたが、私は休職しても自分が置かれている状況そのものは変わらないと感じ、「このままだと自分の人生が良くない方向へ進んでしまう」と考えて、転職を決意しました。

    これは私個人の当時の判断です。同じような状況にある人に、休職より転職を勧めるものではありません。

    転職を考えるうえで感じていた不安

    転職を考え始めてからも、不安がなかったわけではありません。当時勤務していた信用金庫は、私は業界内では給与が良い方だと感じていて、我慢して勤め続ければそれなりの給与を得られそうだとも考えていました。私は当時、金融業界を比較的安定していると捉えていたため、その環境を手放すことにも怖さがありました。

    また、未経験でIT業界へ転職すれば給与は下がるだろうと当時の私は考えていましたし、転職先の仕事がきつければ、仕事面・生活面の両方で厳しくなるかもしれないという不安もありました。これはあくまで当時の私の認識であり、「未経験からのIT転職では給与が下がる」という一般的な事実として述べているものではありません。

    それでも、転職を考え始めてからは「信用金庫に残った方がいいかもしれない」という気持ちにはなりませんでした。このまま働き続けられなくなれば、給与が下がるかどうか以前に、給与を得ること自体が難しくなると当時の私は考えていたためです。

    転職を決めてから最初に行ったこと

    転職を決めてから、私はまず求人サイトで、未経験でも応募できそうな求人がどのくらいあるのかを検索しました。自分に応募できる選択肢が実際にあるのかどうかを、最初に確認したかったからです。

    そのうえで転職エージェントに登録して相談し、その後、ITについての勉強(プログラミング言語、IT業界研究、職種研究)も始めました。

    これは私が実際に行った順番であり、誰にとっても正解の進め方という意味ではありません。エンジニアという職種を具体的に検討する場合の準備については、「信用金庫からエンジニアになれる?向き不向きと転職前にできる準備」でより詳しく紹介しています。

    信用金庫での経験は転職活動でどう見られたか

    転職活動を始める前、私はエンジニアと信用金庫職員とでは仕事内容も働く環境も大きく異なるため、信用金庫での経験が評価されるのか不安でした。

    実際の面接では、先ほどの保育園へのIT活用提案について話すと反応が良く、また、ある会社へ融資の提案をするために1か月間毎日通い、最終的に提案を受け入れてもらった経験については、粘り強さがあると評価されました。

    ただし私自身は、この営業のやり方に再現性があるとは感じていません。かなり無理をしており、精神的な負担も大きいやり方でした。ここから言えるのは、「営業実績があるからエンジニアに向いている」ということではなく、仕事内容が大きく違っていても、過去の経験を別の観点から説明できる場合がある、ということだと私は考えています。

    今、当時の自分に伝えたいこと

    今振り返って思うのは、もっと早く転職を検討すればよかった、ということです。私の場合、転職エージェントに相談したことで助けられた部分が大きく、もっと早く相談していれば、信用金庫でつらかった期間を短くし、IT業界でのキャリアをもう少し早く始められたのではないかと感じています。

    ただし、これは私個人の実感です。「転職エージェントに相談すれば早く転職できる」「つらいならすぐ転職すべき」ということを言いたいわけではありません。

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    信用金庫から転職するか迷っている段階で、すぐに辞めるかどうかを決める必要はありません。

    私はまず求人サイトで未経験でも応募できる求人があるかを調べ、その後、転職エージェントに相談しました。実際に求人を見たり、第三者に相談したりしたことで、自分にはどんな選択肢があるのかを具体的に考えやすくなりました。

    まずは「今の仕事を続けた場合」と「転職した場合」を整理したうえで、気になる求人を見てみる。必要であれば転職エージェントに相談してみる。そこからでも遅くないと思います。

    IT業界への転職が気になっている方は、関連記事も参考にしてみてください。